景気の良い、悪いを判断するための指標には、次のようなものがあります。
①国内総生産(GDP)
②経済成長率
③景気動向指数
④日銀短観
⑤マネーストック
⑥物価指数
① 国内総生産(GDP)
内閣府が年4回発表
国内の経済活動によって新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計。
※FP3級ひっかけ問題に注意!
海外の経済活動GDPに含まれない!
財・サービスとは、人間の欲望を満たすもののことです。機械や家具など形のあるものが財であり、教育や医療など形のないものがサービスです。
付加価値とは、経済活動を通じて新たに付け加えられた価値のことです。
経済活動は、生産→分配→支出という流れを繰り返しますが、生産面からみても分配(所得)面からみても支出面からもても、国内総生産(GDP)は同じ値になることを三面等価の原則といいます。
② 経済成長率
1年間の国の経済がどれだけ成長したか、その割合をいい、一般的にはGDP(実質GDP)の伸び率をいいます。
実質GDPとは、名目GDP(GDPを時価で評価したもの)から物価変動の影響を取り除いたものをいいます。
③ 景気動向指数
内閣府が毎月発表
景気の状況をみたり、将来を予測するために、複数の指標をもとに作成された統合的な景気指標をいいます。
景気動向指数には、下記の3つがあります。
先行指数
景気に先行して動く (東証株価指数) |
★新規求人数・・求人が増える→景気が良くなる見込み
★新設住宅着工床面積・・新しい住宅が増える→景気が良くなる見込み ★実質機械受注・・機械を買う→これから製品を作る→景気が良くなる見込み |
一致指数
景気とほぼ一致して動く 景気動向の判断には一致指数を使う |
★鉱工業生産指数・・今、生産している→今の景気
★有効求人倍率・・今の求職者ひとり当たりの求人数→今の景気 |
遅行指数
景気に遅れて動く |
★法人税収入・・景気が良くなる→ものが売れる→企業の収益が増える→法人税が増える
★家計消費支出・・景気が良くなる→企業の収益が増える→給料が増える→ 消費者がものを買う→家計の消費が増える ★完全失業率・・景気が良くなる→企業が人を雇う→失業率が減る |
●景気動向指数には、CI(コンポジット・インデックス:景気変動のテンポや大きさを把握するための指標。)とDI(ディヒュージョン・インデックス:景気の核経済部門の変化の方向性を表す指数)があります。
●従来はDIを中心に発表されていたが、現在はCIを中心に発表されるようになりました。
※FP3級 覚え方・・アルファベット先の方(=CI)中心
④ 日銀短観
日本銀行が年4回発表
日銀短観とは、日本銀行が上場企業や中小企業に対して、現状と3ヶ月後の景気動向に関する調査(アンケート)を行い、それを集計したものをいいます。
特に注目されるのが業況判断DIです。
業況判断DI = (現状よりも3ヶ月後の)業況が「良い(であろう)」と答えた企業の割合
- (現状よりも3ヶ月後の)業況が「悪い(であろう)」と答えた企業の割合 |
DIの割合は50%が横ばい → 50%より上・・景気が良い。 50%より下・・景気が悪い
⑤ マネーストック
日本銀行が毎月発表
マネーストックとは、個人や、金融機関以外の法人、地方公共団体などが保有する通貨の総量をいいます。(国や金融機関が保有する通貨は含まない)
⑥ 物価指数
物価指数には企業物価指数と消費者物価指数があります。
企業物価指数
日本銀行が毎月発表 |
★企業間で取引される商品などの価格変動を表す指数
★原油価格や為替相場の変動の影響を受けるため、消費者物価指数より変動が激しい ※サービスは含まれない。 |
消費者物価指数
総務省が毎月発表 |
★全国の一般消費者が購入する商品やサービスの価格変動を表す指数 |
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